年賀状
「自然は大らかで波長が長い。
高校時代、落ち込んだときに、ある友人の声を聞いただけで心が和み、救われたことが何度かあった。彼は、日本海の島から、わが市に海と山の香りを運んで来てくれたのだ。私達の生活リズムはテンポが早すぎる。ストレスはそこから来る。せめて心だけはゆとりをもたせたい。手始めに、この一年は、ゆっくりと話すことから心掛けていきたいと思う。」
これは平成16年の私の年賀状で認めたものです。
大らかな心に救われたこと
高校時代の私は、ご多分にもれず多感な年頃で、今から考えればちょっとしたことで、ひどく落ち込むことが何度かありました。そういうときに友人に電話をすると、彼のゆったりとしたのびやかな声が聞こえてきました。そうすると、どういうわけか、心が和みました。そうして私の抱いた悩みはスーと消えていきました。彼の些細なことにくよくよしない大らかな心が、私の心を癒し、勇気づけてくれたと思います。
彼の大らかな心を形成したのは、彼のもって生まれた資質や育った家庭環境によるだけでなく、のんびりとした大らかな自然環境が与って力があったと思います。何しろ四方を海に囲まれた島はのんびりとしていますから。
私達はお互いに年齢を重ねてきましたが、現在でも2年に一度くらいは松江で会っています。彼は高校時代と比べると随分変わりましたが、今でも大らかな心は持っています。会ったときはゆったりとしたテンポで話ができ、お蔭で楽しい時間を過させてもらっています。