生きているだけで十分仕合わせだ

今まででハッとしたこと。驚いたこと。生きていくうえで確かなこと。私の息子(昭和60年生まれ)に是非伝えたいことを書いていきます.猫に小判か、みずみずしい類体験か。どうぞ後者でありますように。

中国の海外支援 下部構造が上部構造を規定する

 

1.世界保健機関(WHO)テドロス事務局長の中国寄りの行動 

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、2020年1月30日の会見で、中国の新型コロナの対応を称賛し、米国が1月末に決めた中国からの入国禁止について反対しました。その後新型コロナの感染は世界中に広がっています。

WHOの対応は中国を擁護する姿勢が目立ちます。

テドロス氏の母国はエチオピアで、外相や保健相をつとめ、2017年にWHOの事務局長に就任しています。

エチオピアの首都アディスアベバにあるアフリカ連合本部は、2012年に中国政府が総工費150億円を全額負担して建設されています。

エチオピアの交通システムや高速鉄道など多くのインフラ案件に対しても中国の政策銀行、中国輸出入銀行が出資しています。

中国は広域経済国構想「一帯一路」の戦略で、アフリカ諸国との関係構築を急いでいます。-2020.4.16 日本経済新聞 WHOの透明性、調査で保証へ コロナの初動対応から

 

2.下部構造が上部構造を規定する 

私はテドロス事務局長の新型コロナウイルス感染の初期対応に疑問をもちました。

中国からの入国禁止措置などWHOの初動対応に遅れがあったのではないか。と思いました。

テドロス事務局長は、エチオピア経済が中国によって多大の恩恵を受けているということを無視できなかったのではないか、そのため中国寄りの行動をしたのではないか。

経済は国や企業の行動に大きな影響を与えます。経済は大きく物を言います。

私は、大学時代に知ったマルクス唯物史観、「下部構造が上部構造を規定する」という言葉を思い出しました。

下部構造の経済に変化が起きれば、上部構造の政治、宗教、道徳、法律などが変わり、人間の歴史が動いていく。

社会の一番の基礎は経済である。政治、宗教、道徳、法律などの精神的活動は、経済に影響を与える側面を否定するものではないが、究極的には経済によって決定される。

唯物史観は、社会の構造、流れといったものについてふれており、俗にいう、日常生活において、経済が物を言う、幅を利かす、という意味で使われているとは思いませんが、私は、「下部構造が上部構造を規定する」という言葉を思い出し、テドロス事務局長の一連の行動は、中国の経済が与って力があったに相違ないと思ったのです。

もっとも私自身は経済が精神的活動に大きな影響を及ぼすとは考えていますが、究極的には精神が経済を動かすと考えています。

 

3.私達の身のまわりでも経済は大きく物を言う 

経済が国や企業を動かすのはよく理解できることですが、実は個人の日常的行動も経済が重くのしかかってきます。

私達は、経済援助を受けている人やお金を借りている人に対し頭が上がりません。援助がストップしたり、借金の返済をせまられれば、立ちどころに生活に支障をきたすからです。どんな人でも、援助してくれる人やお金を貸してくれる人に対し、気がねをし、その意向に注意を払います。

もちろん、すべてにおいて相手の言うままに動くというわけではありませんが、結局のところ相手の意向には逆らえません。

 

4.中国の海外支援は将来世界を自らの掌中に収めることになりはしないか 

中国は、モンテネグロパキスタンスリランカ、マレーシア等の途上国に、インフラ整備を目的に、高額な貸し付けを行い、その結果、各国が返済できないような債務を抱えるようになってしまっています。

スリランカは、中国に対する負債が重荷となり、ハンバントタ港の運営権を99年間中国に譲ることになっています。

また、中国が途上国で開発プロジェクトを実施するときは、中国から労働者を派遣して工事を実施し、雇用の面で、対象国が恩恵にあずかることはないといわれています。

中国の海外支援は、「一帯一路」構想等を通して今後も続けられるでしょうが、経済が物を言って、支援を受けた国はいつのまにか中国の支配下になっていくことにはならないか。

中国の経済発展は著しいものがあります。中国は、経済をテコにして猛スピードで海外支援を行い、いつの間にか世界を自国の支配下にしてしまう、そういう目論みをもっていないか、大変危惧します。

中国の南シナ海東シナ海尖閣諸島への動きをみると、その思いを強くします。