生きているだけで十分仕合わせだ

今まででハッとしたこと。驚いたこと。生きていくうえで確かなこと。私の息子(昭和60年生まれ)に是非伝えたいことを書いていきます.猫に小判か、みずみずしい類体験か。どうぞ後者でありますように。

企業の業績はトップ1人で決まる

友人の話

いつの頃だったかはっきり覚えていませんが、たしか還暦を迎えてのことだったとおもいます。高校時代の同窓会が東京で行われました。私は世話役の一人で、私を含めて4人で事前の準備を行っていました。

その折り、雑談をしている中で、日本IBMに勤めていた友人が何げなく言ったことが印象に残っています。「自分はアメリカの本社に行ったことがあるが、その折り、今までは何人もの人間がIBMを動かしているとおもっていたが、実はそうではなく、世界のIBMを動かしているのは4~5人の人間にすぎないということがわかって驚いた。」

私は友人に相槌を打っていましたが、友人の話にもう一言つけ加えたいのを我慢して黙っていました。「それはおそらく正しい認識だとおもうが、もっと言えば、世界のIBMを動かしているのは4~5人ではなくトップ1人ではないだろうか。」

 

時代の流れを読む

企業の業績は、第一に、企業の方向が時代の流れに沿っているかどうかで決まるといってよいとおもいます。

アゲインストの風に向って進んでも成果は上がりません。一歩前に進むにも莫大な資金や労力を使い骨折り損ということになります。フォローの風に乗って進めば投下する資金や労力に見合った成果が上がります。強いフォローの風であれば大きな成果が上がります。

風の流れを的確に読めるかどうかは、きわめて重要なことです。そしてそれは結局のところ、企業トップの力量如何によるとおもいます。

合議制のものとで風の流れを的確に読むこともないとはいえませんが、結局のところ、それは企業トップの判断に委ねられるものです。企業トップの「先見の明」がものをいいます。

 

人材の選択と配置

第二は、時代の流れを的確に読んだとしてもそれを実現しなければならないので、そのために社員を動かせるかどうかが重要となってきます。

まず、要所要所に優秀かつ適格な人材を選んで配置することが大切になってきます。企業トップは数人を選ぶに過ぎないでしょうけれど、この選択は大変に重要です。適材適所が実現されるか否かは、この選択にかかっているといってもよいからです。トップが選んだ数人は自分の配下を選びます。そしてここで選ばれた人はまた自らの配下を選んでいきます。こういうふうにして組織の人間集団が形成されるわけですが、最初の選択が適切であればあるほど、仕事の実現に向けて実力のある集団が形成されるといってよいとおもいます。

そういう意味で、企業トップの人を見る目がものを言います。

 

トップが尊敬されること

つぎに、会社を挙げて時代の流れに沿った仕事の実現に取り組むのでなければなりません。企業トップが仕事の面で信頼されるだけでなく、人格の面でも尊敬されるのであれば、社員の働く意欲は湧き、仕事は力強く実現していきます。

 

企業はトップ次第

企業の命運を左右するのは、実に、トップの力量です。

私が会社に入りたての頃は、会社は社員全体が動かすものだと漠然と考えていました。また大事なことは取締役会の合議で決定されるものだと考えていました。しかし、取締役会といってもトップの顔色をうかがうばかりで、自由闊達な議論が行われるところは少ない(自由闊達な議論を行わせるのはトップ次第)ことがわかってきました。

トップの権力は絶大で大きな流れはトップの意向によって決まることがわかってきました。

そして企業が衰退するのは、企業の大小を問わず、トップの力量がないためだということがわかってきました。またどんなに力量のあるトップでも長く居すわると驕りが出てきて社員から尊敬されなくなり、企業が衰退することもわかってきました。

企業が発展するのも衰退するのも、結局のところは、トップの力量や運によるもの、とおもいます。