勝敗は戦う前に決している
敗軍の将は戦いが始まってから勝とうとする。戦いの最中に、勇猛果敢に突進していく。
これに対して、勝軍の将は戦いが始まる前に勝とうとする。戦う前に、日頃から周到な準備をしておく。そして戦う前に双方の戦力等から勝てるかどうかを判断して、勝てる戦いのみに挑もうとする。敗け戦には、はじめから挑もうとしない。そして当然の勝利ですから、とくに武勇称賛ということもない。
「善く戦う者は勝ち易きに勝つ者なり。故に善く勝つ者の勝ちは、奇勝も無く、智名も無く、勇功も無し」孫子の兵法の一つである。
事前の準備が大切である
上のことは、少し意味合いは違いますが、何を行なうにしても事前の準備が大切であり、事前の準備をしっかり行っているか否かで、事の成否が決まってくる。ということを私達に教えてくれます。
ビジネスの世界では、普段から、時代の流れ、変化を読んでいくことであり、その方向にそって計画を立て準備をしていくことであり、それが大切だということでしょう。しかし、その作業は、すぐに成果に結びつきません。大変な苦労をともなうといってよいでしょう。
私達を取りまく小さな仕事でも、大なり小なりこのことは当てはまるといってよいと思います。私達は何かを行なおうとするとき、とくに準備をするでもなく、すぐに取り掛かろうとすることが多いと思います。その方が容易だからです。
しかし「急がば回れ」です。多くの情報を集め、分析し、整理を行ったうえで仕事に取り掛かることが大切です。これが案外できません。周到な準備をすれば、自ら良い仕事ができるのに、です。
日頃から、そこまででなくても、少なくとも目の前の仕事を始めるにあたっては、できるだけの準備を行なっていくことが大切で、どれだけ準備を行なっているかどうかで、仕事の出来栄えが決まってくるというものです。