生きているだけで十分仕合わせだ

今まででハッとしたこと。驚いたこと。生きていくうえで確かなこと。私の息子(昭和60年生まれ)に是非伝えたいことを書いていきます.猫に小判か、みずみずしい類体験か。どうぞ後者でありますように。

生きる知恵「ゴ-サインは一呼吸置いてから」で間違いを防ぐ

父の残した言葉

私の父は、地方で中小企業を経営しておりましたが、人を採用しようとして面接を行なっていた時、人柄、能力ともに申し分のない人に出会ったことがあったそうです。あまりにも良かったので、いつもは後日に採用通知を出すことにしていましたが、ついその場で採用しようとしたことがあったそうです。

しかし、ぐっと我慢して、その場での採用を思いとどまり、そして、念のため、翌日に調査を行なったところ、暴力団関係の人ということが判明し、冷や汗をかいたことがあったそうです。

何事においても、その場ですぐに決めない。必らず一呼吸置くようにする。そうすることで未然に過ちを防ぐことができる。父がそう言っていたということを母から聞いたことがあります。

 

私の経験

何事もその場で決めないで、一呼吸置いてから、翌日以降に決めて返事をする、という父の教えのお蔭で、私自身は何度か救われたことがあります。

私は、サラリーマンをやめて独立し、事務所を開業してから18年経ちますが、最初の事務所は場所がよかったせいか、多くのセールスが訪ねてきました。

ある日、何の前触れもなく、○○興信所の△△と名乗る人が事務所を訪ねてきました。いろいろと事務所のことを質問した後で、貴社について調査の依頼を受けているところがある、思い当たることはありませんか、というのです。そしてサインをしていただければ悪いようにはいたしません、ということを匂わすのです。

開業したての頃でしたので、興信所が私の事務所を調査するのは腑に落ちないと思いましたが、ちょうどその時は、サラリーマン時代の仕事先から紹介された会社と仕事がまとまりそうなこともあって、心が動きそうになりました。

しかし父の言葉を思い出して、その場でサインをするのを踏みとどまりました。後日、○○興信所の△△さんの再来訪はありませんでした。

もう一つ同じような経験があります。私の以前いた事務所では光ファイバーではなくADSLを使っていました。それというのも、NTTの工事担当者に調べてもらったところ、光ファイバーは事務所前の道路にはきているが、これを4階にある事務所に通すには、ある程度大がかりな工事が必要だ、ということだったからです。

ある日、NTTの代理店と称する人がやってきて、以前は光ファイバーを使うのは困難だったかもしれないが、それから時間が経っており、今では大がかりな工事をしないでも光ファイバーを通すことは可能だ、といって光ファイバーの設置を勧めてきました。

代理店と称する人は人当たりが大変良く、誠実そうで、とても人を騙す人には思えません。この人なら間違いないと思いました。申込みの署名をしてくれるようにとのことでしたので、つい署名しようという誘惑にかられました。しかし、その時も父の言葉を思い出し、踏み止まりました。

翌日、パソコン関連の会社に事情を話したところ、それは危ないとの返事がかえってきましたので、後日、電話で再度の勧誘がありましたが断りました。

以上はいずれも詐欺行為に出くわしたということでしょうが、前者は独立したての事務所を狙ったものであり、後者はADSLを使っている事務所に狙いを定めたものといえます。

彼等は人を騙すことの、それこそ熟練者で、何度も試行錯誤を繰り返し、その経験から巧妙な手口を身につけているものですから、人は彼等の口車に乗りやすいのです。

考えてみますと、勧誘されたときは、その事のみにしか頭にありませんので、イエスかノーです。イエスとなるとサインしてしまいそうになります。このとき、一呼吸置くと、その事からいったんは頭が離れ、客観的にその時の状況を見つめ直すことができます。調べてみるゆとりができます。

 

結論を出すのは明日にのばす

何をするにも、とくに大事なことは、その場ですぐに決めない。どんなに正しいとおもえても、いったんは結論を出すことを引込め、翌日に結論を出すようにする。たとえそのことでチャンスを失うことがあってもです。
私の心がけていることです。