生きているだけで十分仕合わせだ

今まででハッとしたこと。驚いたこと。生きていくうえで確かなこと。私の息子(昭和60年生まれ)に是非伝えたいことを書いていきます.猫に小判か、みずみずしい類体験か。どうぞ後者でありますように。

人事とはなにか その要諦は論功行賞ではなく、明日以降の可能性にある

人事の要締は人の明日以降の可能性にある

以前、私がサラリーマンであったとき、当時、人事課長をされていた先輩と安い小料理屋で酒を飲みながら話しをする機会がありました。その時の話しで印象に残ったことがあります。

ある日、課長は社長に呼ばれて質問されたことがあったそうです。○○君、人事で心して置かなければならないこと、大切なことは何ですかと。課長は黙っておられたか、質問に答えられたかわかりませんが、社長は、「人事の要締は人の明日以降の可能性にある」と言われたそうです。

私は、さすがに社長の言うことは違うなあ、と思いました。

人事課長にすれば、人事とは、社員の業績を正しく評価し、公平に登用しバランスよく配置することだ、というぐらいに思っていたことでしょう。多分、現在においても、会社の人事責任者はこぞって同じような答えを出すと思います。まさか、将来の可能性を重くみる、なんて答えは思いもつかないことでしょう。いわゆる「論功行賞」に従って人事を行なう、というのが普通の考えでしょう。これとても、誰もを納得させるのは至難のわざです。

しかし、それでは、一流の人事とはいえないということなのでしょう。もちろん、業績を無視するということではありません。それを含めて大切なことは、明日以降の将来の可能性が、その人にどれだけあるかを判断することなのでしょう。


名将は前大戦を戦う

当時、社長が社内誌で書かれていたものに「名将は前大戦を戦う」という一文があります。これは戦争に関する格言の一つだそうですが、人事に対する上の考え方と共通するものがあります。

名将は、名将なるが故に、武功抜群なるが故に、前大戦の成果に酔って時代の変化を見ようとしない。

第二次世界大戦では、大艦巨砲時代から航空戦力中心の時代に移っているのに、日露戦争日本海戦の勝利の流れをくむ旧海軍の主流は、名将東郷平八郎を利用して武蔵・大和という化け物のような不沈戦艦を造った。しかし、武蔵・大和は航空機の前には不沈どころではなかった。

時代の流れを正しく読まなかったのである。

人事は、ともすると業績(過去)を重視しますが、それにとらわれすぎてはなりません。会社にとって大切なのは、現在及び明日以降であるはずです。

人にとって昨日までの積み重ねた経験の上に明日の未来がありますが、しかし大切なのは明日以降にあります。それはどんなに年をとっても当てはまることでしょう。