生きているだけで十分仕合わせだ

今まででハッとしたこと。驚いたこと。生きていくうえで確かなこと。私の息子(昭和60年生まれ)に是非伝えたいことを書いていきます.猫に小判か、みずみずしい類体験か。どうぞ後者でありますように。

インスピレーション 論理の積み重ねを超えて真実に達する

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大学時代の答案 

私の自慢話は数えるほどしかありませんが、その一つに、大学4年の新学期が始まったとき、民事訴訟法の講義の冒頭で、3年学期末のテストで出色の答案が二つあったとして、私の名前が最初に読み上げられたことがあります。何の前触れもなかったのでびっくりしたことを思い出します。

出題の詳しい内容はすっかり忘れてしまいましたが、たしか、口頭弁論終結後の承継人に既判力が及ぶかというテーマを「即時取得」にからめた短い事例を使って問われたと思います。

私は問題を読んでしばらく考えていました。するとフッーと閃くものがありました。そこで問題に対して基本原理、基本原則を書いたうえ、その閃いたものを一気に書きあげました。そして、基本原理、基本原則が正しいことを書いたように思います。

どうして閃いたかを考えてみますと、学界の最先端をいく教授の授業を、一言も聞きもらすまいと熱心に聞いていたことと、日頃、法解釈は、当事者が納得のいくことを心がけるべきで、そうであれば、法はそれを尊重すべきだ、と考えていたことがあります。

私達は何かを決めようとするときに、多くの情報を集め分析します。論理を積み重ね、俗にいう理屈を並べて結論に到達します。

しかしどうしてもしっくりこないことがあります。考えに考えたすえに結論に達しても、いま一つピンとこないことがあります。確信がもてないのです。

そういうときに、いつもとは限りませんが、フッーと閃くことがあります。インスピレーションです。その場合は確信がもてます。得心がいき、抵抗なく結論に従うことができます。


先輩の手がけた新聞広告

私が大学を卒業してデベロッパーに入社したとき、アメリカの留学から帰ってこられた先輩がいらっしゃいました。

先輩は当時、会社では広告を担当されていましたが、先輩の扱われた新聞の一面を使った全面広告は、今までのものとは比べものにならないほどの集客力でした。当時の常識を覆すものでした。

ある時、先輩に質ねましたところ、先輩いわく、自分は広告代理店の意見をはじめいろいろなことを参考にして考えるが、そのあと、フッーとイメージが湧くのを待つということでした。じっと待って、イメージが湧いたら、自分はそれを広告にするということでした。


科学者の発見

科学者が発見するときは、つぎのことをよく耳にします。難題にぶち当って、にっちもさっちもいかなくなって、その先に進めない。で、ほったらかしにしておいたら、ある日、突然、スーと解決策が浮かんできた。自分の発見はそういうことで生まれた。


インスピレーションを大切に

私達は、何かにぶち当ったときに、考えに考えたすえある結論を導きますが、それでは確信のもてないことが多くあります。

情報を多数集め、分析し、考えに考えることが前提ですが、そのうえで、じっと、インスピレーションが湧くのを待つ。

いつもインスピレーションが湧くとは限りませんが、インスピレーションが湧いたらしめたものです。

インスピレーションが出たときの結論は得心がいき、確信がもてます。