生きているだけで十分仕合わせだ

今まででハッとしたこと。驚いたこと。生きていくうえで確かなこと。私の息子(昭和60年生まれ)に是非伝えたいことを書いていきます.猫に小判か、みずみずしい類体験か。どうぞ後者でありますように。

「新しさ」 スリリングで人生を楽しくさせる妙薬 女性の和服姿

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桑原武夫氏の「文学入門」  

私の高校時代、当時の京都大学教授桑原武夫氏(文化勲章受章)の「文学入門」を読む機会がありました。本の内容は全く覚えておりませんが、ただひとつ、強烈なインパクトを受けたことが記憶に残っています。それは、文学に「新しさ」を求められていたことです。「新しさ」は、当時、私が文学に何となく思い描いていたことと全く異なった物差しであったから大変驚きました。

「新しさ」は、大袈裟にいえば未知なるものとの遭遇です。私達に刺激を与え、ワクワクさせます。私達を楽しませてくれます。

 

大学の同期会で出会った和服姿の女性 

昨年(平成28年)12月2日、大学時代のゼミの同期会がJR田町駅から徒歩8分のとある割烹料理家でありました。昼に簡単な食事とお酒をみんなでいっしょにし、お互いにダベるという会です。男性7名、女性1名の集まりとなりましたが、男性が全員集まったところで、やや遅れて和服姿の女性が現れました。いつもはどちらかというと彼女は地味な洋服で出席されていましたので、一瞬、私は我が目を疑いました。「新鮮」でした。一輪の花がパーと咲いたような雰囲気が醸し出されました。その姿は美しく眩いばかりで私はドキドキしました。私はこの日、彼女の和服姿を十分に楽しませていただきました。

 

昔、バナナは「新しさ」があった 

私は子供の頃、バナナが大好物でした。高価なこともあってめったにありつけません。ありつけるのは、年に1回あるかないかです。そのときのバナナは実に美味しかった。その味は忘れられません。今はどうかといえば、私にとってバナナは好物というほどのものではありません。安価なこともあっていつでも食べることができます。美味しいことは美味しいのですが、昔に比べると味は数段落ちているように思われます。昔の美味しかったバナナとは比べようがないように思われます。何故かといえば、多分、味そのものも違うでしょうけれど、確かなことは、昔はめったにありつけずバナナは常に「新鮮」であったのに対し、今はいつでも食べることができ食傷気味になっていることが考えられます。昔のバナナは私にとって年に1回の遭遇です。「新しい」ものにありつく喜びがありました。 

以上のことは食についていえば、多くの場合にあてはまります。野菜でも魚でもその他のものでも、朝採れとか産地直送とかで素材そのものが新鮮かどうかということがありますが、それに加えて、めったにありつけないという意味で「新しさ」があれば食は一段と美味しいものになります。 

話は少しそれますが、居酒屋でもレストランでも食を提供するところで流行っている店は、食に関していえば、味がよいことやリーズナブルな価格であることのほかに「新しさ」を提供しているということがあります。頻繁に新しいメニューが出されています。同じメニューではどうしても飽きてしまいますが、「新しさ」をもったメニューは人を喜ばせます。

 

「新しさ」はいろいろな場面で求めることができる 

私達は、時には、レストランで食事をしたり、美術館で絵画を鑑賞したり、旅行に出かけたりしますが、これなどは、日常生活から離れ、無意識に私達が「新しさ」を求め、刺激を得て楽しんでいるということがいえると思います。一歩進んで、時には、意識的に日常生活のなかに「新しさ」を求めてみるのは如何でしょうか。少し刺激的で楽しいと思いますが。私は、お中元にはジューシーな白桃を山梨から、お歳暮には蜜一杯のリンゴを長野から送らせていただいておりますが、そろそろ新しい送り物に挑戦しようと思っています。毎年とはいかなくても、美味しいものを新しく発見してその都度送られたらいいなあ、と思っています。 

ビジネスでは「新しさ」が有効な手を打つためのヒントになってきます。「新しさ」は人々に驚きをもたらし、刺激を与えてくれるからです。ビジネスは「新しさ」を求めて、日々進化していますが、IT関連企業は、その先端を走っているといえましょう。

 

当ブログで今まで書いてきたものは、私にとって「新しさ」のあるもの 

今まで当ブログで載せたものは、「生きているだけで十分仕合わせだ。それ以上何を望もうというのか。」をはじめとして23本となります。それらは私が経験したことを中心に、自ら考えたこと、人から教わったこと等々ですが、いずれも、私がハッとしたこと、驚いたこと、生きていくうえで確かなこと、真底得心したことです。そして、いずれも私にとって新しい発見であり、「新鮮」に映ったことであり、それゆえ、驚きも大きく、心の揺さぶられた度合いも大きいものです。新しい発見はスリリングで楽しいことです。