大坂なおみの「NO!」に、一瞬、観衆は静まり返ったが・・・。
全豪オープンテニス、女子シングルス3回戦で大坂なおみと謝淑薇(台湾)の試合、その終盤のラリー中に、大坂なおみは転倒して足をひねり、体は仰向けになった。
観衆は一瞬どよめいて静まり返った。主審から「大丈夫?」と声が飛んだようだが、すかさず大坂なおみは「NO!」と返答し、そう言った後で、にっこり笑い、大丈夫と右手を挙げてジェスチャーを送った。
「NO!」は茶目っ気、観衆の大笑いを誘う
大坂なおみは、転倒しても体は大丈夫であったので、倒れた後すぐに大丈夫と言ってもよさそうなものだが、「NOと言って審判がどう反応するか見たかった」と言っている。NOと言った後ですぐに、右手を挙げて大丈夫とジェスチャーを送っているところをみると、ほんの一瞬だけ、イタズラをしてみせたのである。
茶目っ気たっぷりである。観衆は大笑いである。
緊張したグランドスラムの試合の中での、この茶目っ気ぶりは、心のゆとりがもたらしたものでそれ以外の何物でもない。
すごいことだと思う。
心のゆとりが観衆をなごませ、笑いに包みこむ。まさに「生きるとは笑うことなり」である。(当ブログ参照 2017/07/18 生きるとは笑うことなり)
試合は人生の縮図である。その中で茶目っ気の役割は
テニスに限ったことではないが、スポーツの試合は人生の縮図ともいえる。
スポーツの試合では、守りを固めながら、果敢に攻めていく。一方で常に冷静に試合展開を読んでいく。
人生もそうだ。脇を固めながら、積極的にポジティブに行動する。一方で、常に冷静さを失わない。
茶目っ気は、スポーツの試合でも人生航路でも、スパイスの役割をもつということができる。
茶目っ気は心のゆとりから生まれてくるものであり、笑いを誘う。
そうして、これが肝腎だが、力を生むのである。
大坂なおみの「NO!」は力を生み、試合に勝利をもたらした大事なポイントになったというのは言い過ぎだろうか。
追記 1月26日(土)、決勝でペトラ・クビトバ(チェコ)を2対1のスコアで破り優勝
スコアは7-6、5-7、6-4の2対1。
第2セット中、大阪なおみはプレーが思うようにいかず、ラケットをコートに叩きつけようとしたときがあったが、かろうじて思いとどまっている。一瞬、この試合はダメかと私は思った。